大昔から肝臓を助けてきた、お酒好きの心強い味方
縄文時代の古代から、日本人の食生活になじんできたしじみ。江戸の町には早朝、しじみ売りの姿が見られました。「黄疸に効く」、「母乳の出をよくする」、「寝汗によい」など、各地で経験にもとづいたさまざまな健康にまつわる言い伝えがあり、庶民の生活に深く浸透してきた貝です。
そして今日でも「二日酔いにはしじみ汁」と言われつづけているのです。しじみは利根川河口や宍道湖をはじめ、北海道から九州まで各地の汽水湖(淡水と海水が混じった湖)に棲息し、ヤマトしじみ、セタしじみ、マしじみの3種が代表的ですがわたしたちが通常食べているのはヤマトしじみ。
ところが最近は河川や湖沼の汚染によりしじみの漁獲量が激減し、消費の半分は中国などからの輸入に頼っているのは残念なところです。
ところでしじみには「寒しじみ」と「土用しじみ」のふたつの呼び名があることからわかるように、旬は冬と夏の2回あります。
これから徐々に暑くなりビールの量も増えることでしょうが、そんなときは旬の「土用」しじみがおすすめ。栄養価も高いしじみの健康効果は、あながち昔の言い伝えだけではないからです。旬のしじみは貝類でももっとも味がよく、弱った肝臓を助けてくれるのです。